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 もう3年ほど前の話になります。

 日本睡眠学会が、夏季に時計の針を進めるサマータイム(夏時間)が導入された場合、睡眠のリズムに障害を起こす人が増え、医療費の増大や職場での作業効率の低下などで1兆2000億円の経済的損失が発生するというシミュレーション結果を発表しました。
そりゃ、そうだろうな、というのが率直な感想です。

 サマータイムの導入は、元々、夏季の日中時間を有効活用してエネルギー消費量を抑え、国が進める温暖化防止、低炭素社会づくりを後押しする狙いがあったのですが、東日本大震災によって引き起こされた首都圏の電力供給量の急減をきっかけに、再び脚光を集めています。

 サマータイム制度をめぐっては、05年に超党派の「サマータイム制度推進議員連盟」が法案を作成。国会提出は見送られましたが、毎年3月の最終日曜日に1時間早めて、10月の最終日曜日に元へ戻すという内容でした。日本では終戦直後の48年から4年間、連合国軍総司令部の指令で実施されたことがあります。
 
 睡眠学会の報告によると、サマータイムを実験的に導入した北海道で約4割の人が、睡眠障害など何らかの体調不良を訴えたといわれ、経済的損失はこれを全国に当てはめて試算しています。

 また、睡眠学会は大阪市をモデルに制度を導入した場合のエネルギー消費量をシミュレーションしていますが、その結果、早く帰宅することによる冷房使用量の増加などにより、家庭での電気消費量は0.13%増加するとみています。日中の明るい時間を有効活用し、エネルギー消費量を抑えるというサマータイムの狙いとは裏腹に、むしろ増エネにつながる結果になったわけです。

 体内時計という言葉を聞いたことがあるでしょうか。私たち類人猿は、気の遠くなるような長い長い歳月を経て、この母なる地球の自転、公転周期に合わせる形で、自らのDNAを変換し、地球環境に最適な生命を作り上げてきました。私たちの体内にビルトインされたこの体内時計は、地球の回転に関わる1日約24時間、1年約365日の時間の流れを体自身で刻むように作られているのです。この不可思議な時計は、睡眠、血圧、体温を含む体全体のリズムをコントロールし、私たちが律儀に巡り来る季節や寒暖、日照の規則的な変化を受け止めて、私たちの全身、心のありようを優しく律しているのだと思います。

 一つ、想うことがあります。人はなぜ、山の端をオレンジ色から赤紫、青紫に染めながら暮れて行く黄昏の風景に、甘酸っぱい、物悲しい感傷を抱いてしまうのか。逆に、海の向こうから大空を染め上げながら立ち上がってくる朝日の出現を、新鮮な息吹きを受け止めるような感覚で捉えてしまうのか。

 夕焼けの物悲しさと朝日の新鮮な元気を、おしなべてほとんどの人が同様の感覚で受け止めるのは、後天的な教育の結果では、もちろん、ありません。かつて、外敵に襲われやすい日常の中に生きるしかなかったサルたちの、闇への畏怖、夜明けへの安心が、私たちのDNAに刻まれたまま、今に至っていると考えた方が合理的であるような気がするのです。

 時間も自然も、私たち人類の生存に関わる長年にわたる与件であり、それを、狂わせることの是非は、もっと、慎重に検討されていいのではないか。原発依存に象徴されるエネルギー大量消費への反省と抑制は、他にもっと優先すべき手立てがあるのではないでしょうか。
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