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 親父の小言、第二項目は「人には腹を立てるな」です。

 「腹を立てる」というのは、ある種の怒りの感情ですね。ムカつく、呆れる、イライラする、情けなくなる、不愉快になる、頭にくる…ま、そういったところでしょうか。「腹を立てる」というより、むしろ、「腹が立ってしまう」というのが自然な姿でしょう。

 生まれてこの方、一度も腹を立てたことがないという人は、たぶん、いないと思います。親父の小言でいう「人には腹を立てるな」は、怒ってもいいけれど、怒りの対象は自分に向けなさいよ、という戒めのような気もします。誰しも、全知全能の神ではありません。誰かが、自分の感性、価値観の物差しと違う振る舞いをしたからといって、怒りに打ち震えるのは、ひょっとして自分の側の感受性に問題があるんじゃないか。そんな風に、一度は客観化してみる。立ちかかった腹を、一度、冷静になって収めてみなさい、というアドバイスです。

 どこにも瞬間湯沸かし器と称される人物はいるものです。こういった人は、几帳面で、規則正しい生活習慣をもち、仕事への責任感もあって、しかも、スピーディに業務をこなす。いわゆるテキパキ型の人間で、だからこそ、ぐずついたり、ぼんやりしたり、手際の悪い人を許せない。こうしたタイプの「四角四面で真面目な前向き人間」は、これまで、上司の覚えもめでたく、重宝されてきました。なぜかというと、几帳面で一直線な人は、あらかじめ答えの分かっている目標に向かって走るには、とても有用な人物だからです。

 ですから、そういう人物が上司になると、部下の優柔不断、愚図つきが許せない。大声で叱り飛ばし、興奮している上司の前で、神妙な表情で立ち尽くす若い部下の姿は、かつて、高度成長期の企業では日常茶飯事だったものです。

 ところが、あらかじめ答えがわかっている目標に向かって、ひたすら思考停止で走ればいいという時代は終わりました。むしろ、トンネルの出口が見えない、これから先の進路をどうとればいいのか、まさに不確実、不透明の中で船を進めなければならない新しい世界に入ってしまった。あらかじめ地図に記されたエスケープルートなどない時代に、こうした、真面目で几帳面で、ひたすら「前へ進め!」と呼号する瞬間湯沸かし器を内蔵した鬼軍曹は、役に立たなくなってしまっているのです。そして、定規で線を引いたようなやり方を好む堅物は、時にイライラ、ムカムカが講じたあげく、自ら病んでしまう恐れも大きいというべきでしょう。

 はなしが、少し横道に逸れてしまいました。そう、親父の小言、第二項目は二つの含意があります。「人に怒りを向ける前に、我が身を冷静に振り返れ」。そして、もう一つは「そうイチイチ、カッカきていると、自分の心身の寿命を縮めるよ」。

 実は、今朝も、ある仕事に絡んで、久しぶりに、少々、ムカついたのですが、ここらでお茶を一杯…少し、心を落ち着かせることにします。
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