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2012.08.22 無念
 フリージャーナリストの山本美香さんが亡くなりました。内戦が続くシリアで、戦闘に巻き込まれ、首への銃撃が致命傷になったと伝えられています。45歳でした。

 山本さんは日本テレビと映像提供契約を結び、現地からの映像が放映されることで報酬を受け取ることになっていたといいます。生命の危険にさらされる紛争地に、大手メディアの記者たちが入らず、山本さんのようなフリーのジャーナリストが飛び込んでいく…こうした「生命がけの代理報道」は、主として特派員数の少ない民放に多いのですが、肝心の大手メディアの記者たちは遠く離れたカイロあたりから間接情報に基づく観測記事を送るばかり。何とも割り切れない気持ちにさせられます。

         
   
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 この写真は、フリーカメラマンの沢田教一のピューリッツァ賞受賞の一枚です。撮影年月日は1965年9月6日。UPIの契約カメラマンだった沢田は米軍ヘリでベトナムのある村に降り立ちます。この村はベトコンの拠点といわれており、米軍のナパーム弾攻撃から逃れようと多くの村人たちが我先に逃げ惑っていました。そんな中、沢田は子供たちとともに川を懸命に泳ぎ渡ろうとする母親を見つけ、手助けをしながらシャッターを押します。「安全への逃避」というタイトルで配信されたこの一枚の写真は、戦争のむごさ、不条理、残酷、冷酷を世界中の多くの人たちに伝えることになります。

 米国の若者たちがベトナム反戦に立ち上がり、それに呼応するようにヨーロッパ、日本に反戦運動の輪が広がっていくのは、この直後からのこと。沢田は、この写真が撮影された5年後、戦乱が広がったカンボジアの国道で何者かに狙撃され、34歳という若さでこの世を去ります。

 人為的に真実がもっとも覆い隠される戦争の実像を、誰かが伝えなければならない。あらゆる動物の中で、同類同士が組織的に殺戮しあうのは類人猿ヒト科だけという愚かしさから抜け出せる日まで、無念の犠牲は絶えることなく続くのでしょう。
冥福を祈るばかりです。

 
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