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2012.03.26 善魔
 この週末、鬼の撹乱というべきか、喉風邪を引いてしまって39度近い熱発。病院で薬をもらい、昏々と眠り続けて、今日は濁声ながらも何とか回復しました。
窓の外は、ソメイヨシノやユキヤナギ、黄レンギョウが咲き始めて百花繚乱の春が目前です。

 風邪でうなされながら、ふと思い出したのは、元UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の弁務官だった緒方貞子さんが以前書かれていた「善魔は悪魔より手に負えない」という内容の言葉です。はっきりとは覚えていないのですが、誤った善意は、最初から「悪魔の顔」をして近づいてくる者より始末に負えないということなのでしょう。

 鹿児島県議会で今日、東日本大震災の瓦礫の受け入れを各市町村に要請する決議案が全会一致で可決される見通しだそうです。困った時は相身互い、安全が確認されるのなら積極的に受け入れましょう…という耳に心地よい「絆の精神」に、拍手喝采する気持ちもわからないではありませんが…でも、何かがおかしい。

 恐らく、こういうことを言い始めると、自分本位、エゴイストという罵りの石つぶてが飛んでくるのでしょうけれど、でも、これは、あえて言っておかなければなりません。
あなたは病気で苦しむ人の辛さを分かち合うために、自分も病気になってあげるのですか?と。

 ご承知のように、漏れ出した放射性物質に対処する方法は「拡散させず」「封じ込める」ことに尽きます。知人の話によると、今回の瓦礫処理に関しては陸地で埋め立てる場合の放射性セシウム濃度1キロ当たり8000ベクレムを基準値としていますが、それも国際基準値を上回っているんだそうですね。それに加えて、一般廃棄物との混在もOKということですから、濃度はいくらでも薄められる。総量こそを問題にすべきなのに…。

 さらに、今回大震災で生じた瓦礫は約2300万トン、阪神大震災は約2000万トンでした。阪神の場合、1年後にはその60%が域内で処理されたのに、東日本大震災では1年経って7%ほどしか処理されていません。陸前高田市、岩沼市など複数の市町村が地元での処分を求めているのですが、いまだに瓦礫処理プラントの設置さえ許可されていないというのも不思議なことです。その方が、放射性物質の拡散にもならないし、新たな公共事業の創出として雇用確保にも繋がるのでしょうけれど。

 わざわざ何十億円もかけて九州最南端まで運ぶ意味とはいったい何なのか。考え込んでしまいます。

 放射性物質を含んだ瓦礫の広域処理をお断りするのは、ヒステリックな我が儘でも、エゴイストの発想でもありません。できるだけ、汚染から守られた地域を日本列島に確保しておくことは、被災地の方々の未来のためにも、とても大切なことと思うのです。

 積極受け入れで一躍有名になった静岡県島田市の市長が産廃処理会社の前の社長だったこと、今も一族の方が経営していることも、気にはなる事実ですが、コトはそれ以前の話でしょう。

 「分かち合う」ことは、それによって、相手の苦悩、辛さ、痛みが軽減されてこそ意味のあることです。
安っぽい情=善意に流されて、結果、その善魔が誤った方向に日本中を走らせてしまうことのないように…そう、祈りたい気分になったのは、風邪による発熱のせいばかりではないと思いたいのですが。

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