上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 数日前、一通の封書が届きました。差出人に心当たりはありません。


 いぶかりながら開いてみると、時候挨拶に続いて、「私は昨年春、市役所の都市景観課を定年退職した
Dと申します」と自己紹介がありました。


 トシケイカン?一瞬、何のことかわからず読み進めると、「埋もれさせておくには勿体ない話がございましたので、失礼ながら、お手紙をさせていただきました」とあります。

以下、かいつまんでの要旨…

 

 <西郷隆盛が亡くなった城山の麓にあった土地、現在は平屋の瀟洒なクリニックが建っているが、ここは、地価に照らしても分譲マンションなどが建設されてもおかしくない土地だ。しかし、売買業務を担当した御社の不動産事業本部の社員は「この地域は地域住民と県・市が景観形成に取り組んでいる地域であり、鹿児島らしい景観を形成し守っていくべきところであると強く認識され、経済的なことだけを優先すべきではないお考えになりました」(原文のまま)。この相談を受けたDさんは、社員の情熱に打たれ、庁内全課に用途を紹介するなどしたが果たせないままだった。しかし、結局、当社社員は時間をかけて景観形成に理解のある建築主を探し出して、結果、景観が保全されることになった>

…という経緯です。

 

 Dさんは「街の景観形成は誰もが願っていることですが、形にするには大きなエネルギーと時間を要するものです。鹿児島を訪れる人は『歴史の香り』を嗅ぎに来る人が多いと思います。御社の担当者様のご努力で大切な景観が守られたこと、その行動は大ヒットだったと思います」と結んでいました。

 

 確かに、私の故郷の長州・萩に比べ、「維新のふるさと」を強調する割には、鹿児島の伝統の街並み保全への本気度はいま一つの感じがします。観光案内板も、銅像も、オブジェも記念館、展示場もいいけれど、Dさんの仰る「歴史の香り」とは、百数十年の時を超えて、往時の人々の息遣いを実感させる「空気」であり「その息遣いを大切に守ろうとしている、この地の人々の熱い想い」であって、その想いが本気であれば、当然の帰結としてそれに応じた街並み、景観が作られているはずなのです。

 

 ともあれ、目の前の利益を度外視した一社員の判断、それを支えた「地域あっての企業」という考え方、それこそが、喜怒哀楽を地域と共有しながら生きて行く当社の経営理念を見事に体現してくれている。わざわざ手紙をくださったDさんにお礼の返信をしたためながら、ひさしぶりにうれしい朝になりました。

 

 

 

 

Secret

TrackBackURL
→http://tenokuchinomadokara.blog133.fc2.com/tb.php/135-0ad82df4
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。