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2012.10.31 29日目
 思わず息を呑んでしまいました。

 昨日、奄美大島の南部、宇検村を訪ねた時のことです。海に面した山という山の松の木がご覧のような姿に。
少なくとも、半年前に来たときには、多くの松の葉が赤茶色に変色していたものの、幹まで浸食されて白くなっている風景は目にしませんでした。すさまじいマツクイムシの猛威です。

             

            IMG_3665.jpg

 松の木を枯れさせるマツクイムシの被害が、奄美大島南部で拡大し始めたのは2008年ごろからといわれています。本島南部に浮かぶ加計呂麻島から広がったとみられ、この島では松がほぼ全滅状態となっているようです。

 たかが松の木というなかれ。松はきわめて生命力が強く、日当たりさえ良ければどんな荒廃地でも真っ先に生育し、森の水源と表土をしっかりと守ってきました。その松が、根腐れし、枯れ果てた結果は一目瞭然です。台風常襲地帯でありながら、それまでこれといった大きな災害に見舞われなかった奄美大島では、一昨年10月の集中豪雨、今年の台風15,16,17号の来襲で山崩れが至る所で発生、甚大な被害をこうむっています。今回も幹線道路のあちこちで復旧工事が行われていましたが、土砂崩れの上部では決まってマツクイムシに食い荒らされて枯れた松の木が傾いていました。

 ずいぶん以前、レスターブラウンが書いた「地球29日目の恐怖」を読んだ時のことを思い出しました。地球規模で進行している環境破壊の実態と課題を指摘した同書のタイトル、「29日目」の意味は、次のようなエピソードから採られています。  

 フランス人はナゾをかけて子供たちに、等比級数的な変化のすさまじさを教えています。

 「ここに睡蓮の葉が茂る池がある。大きな葉っぱが、一つ浮かんでいる。それが毎日、2倍に増える。二日目には2枚になり、三日目には4枚、四日目には8枚になる。そして,尋ねる。池が30日目に一杯になるとして、池の半分が葉に覆われるのはいつだろうか?」

 答えは、いうまでもなく29日目ですね。言ってしまえば、「まだ半分だから大丈夫」と安心した次の瞬間、破局が訪れる。これが等比級数的な環境破壊の怖さだと指摘しているわけですが、それは、財政破綻、人口減少、高齢化など、私たちが直面しているさまざまな困難な課題にも通底するはずです。

それにしても、もっとマツクイムシ被害を早期に食い止める手立てはなかったのか…南の端の小さな離島の森がの悲鳴が、ニッポン列島の未来像を暗示しているような、そんないたたまれなくなるような奄美の風景でした。


 


 
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